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事例の紹介②【管理組合の合意の形成に関わるもの】

◇ 560戸のビッグコミュニティー 住民協力で工程も順調

① 物件概要/ 2004(平成16)年竣工・RC造・地上14階、16階、18階建・3棟(その他エントランス棟、管理棟など)・560戸

○主な工事内容 ・ 共通仮設/現場事務所・作業員休憩所・植栽棚・仮設手洗い場・トイレ・資材倉庫・廃材置場等の設置
・ 足場仮設/足場設置・解体、1階の一部にセンサーライト付き防犯カメラを設置
・ 下地補修/外壁等の調査(目視・打診調査)、清掃及び既存脆弱塗膜除去、ひびわれ補修、 鉄筋爆裂補修、タイルひび割れ・欠損・浮き補修、タイル目地脆弱部補修、 外壁高圧水洗浄他
・ シーリング/外壁・手摺壁の内側・共用廊下等の天井目地、バルコニー内の窓廻り、1階通路他
・ 外壁他塗装/天井面、バルコニー内や共用廊下、階段等の外壁(吹付タイル面)、手摺壁、 ごみ置き場内壁・床・天井他
・ 鉄部塗装/住居棟以外の扉(ごみ置場扉、受水槽ポンプ室扉等)、ガーデンズスクエアのウッドデッキや木製ベンチ・階段、1階通路の柱・梁等
・ 防水/各棟の屋上や屋根…笠木や架台等のウレタン塗膜防水
・ルーフバルコニー…笠木や架台等のウレタン塗膜防水 ・ルーフデッキ…平場及び笠置共ウレタン塗膜防水
・ バルコニー、サービスバルコニー…ウレタン塗膜防水と床シート仕上げ
・大庇、小庇…ウレタン塗膜防水
・ その他/クリーニング、メールコーナー長尺シート張替、床石面洗浄、 パーキングスペース床ライン引き
○工事期間/ 2015年1月9日~ 2015年8月31日

② 経過560戸の郊外型大規模マンション。
住居棟のほか、管理棟、集会室やキッズルーム、防音スタジオ、ライブラリー、ゲストルームがある棟、充足率100%の自走式駐車場などがあり、敷地面積は2万4,000㎡を超える。
こうしたビッグコミュニティーだからこそ、住民の生活にかかる工事中の負担(足場や養生シートによる圧迫感、騒音や粉塵等)に配慮するため、「なるべく短い工程管理の作成に努め、それが採用されました」と現場代理人の談。
 ただし、現場代理人の苦労はこれから。作成した工程、工事期間を守らなければならないからだ。
実は、工事前のアンケートの回答率は40%台、住民説明会の集まりも少なく、「住民は大規模修繕工事に関心が少ないのでは…という感じだった」。
しかし、駐車区画の移動など、お願いすればすぐに対応してくれたり、工事中の大きな指摘や要望も少なく、こうした住民の対応のおかげで、「タイトな工程も順調に進んだといえます」と話す。 駐車区画の移動については、560世帯に対して560区画という、充足率100%の自走式駐車場ではあるが、空き区画が約80台あった。これを有効活用するため車を移動してもらって空きスペースをつくり、作業員休憩所・資材倉庫、さらには工事車両置き場として使用することができた。
さらにマンションの立地環境では材料の搬入経路の確保が難しく、1階住戸の専用庭に搬入のための足場を設置する方法を採用した。隣の住戸との専用庭を隔てる扉を開放する必要があり、1戸でも反対されると足場の設置もできない環境であったが、これについても住民の反対はひとつもなく、スムーズに作業が進んだ。

工事がはじまって約1カ月後、小学生以下の子どもを対象とした工事説明会を実施。集会室で資料を配布して「なぜ工事するのか?」「どんな工事を行っているか」等を説明した。
そのあと、実際に工事現場を回って、足場を組み立てている途中の現場や実際に外壁補修などをはじめている部位を見学。
危険な場所や入ってはいけない場所、触ってはいけないところを見てもらった。子ども向け説明会は約30人、親を含めて50人以上が参加した。

 スケジュールに合わせて計画段階の節目ごとにタイムリーに集会を開催する
  遅すぎるタイミングでは逆効果になる。また説明では反対や厳しい意見がでても賛否を諮る訳では無いので「聞く」余裕をもつことも大事
  また③の工事説明会は7ヶ月以上の工期になる場合は工事期間中の中間時にも開催すると「忘れ」が予防できて効果的

発生したトラブルに対処するのではなく、そのトラブルが発生しにくい環境を事前段階からつくりあげていく  

「知らなかった」、「聞いていない」「対応する時間が足りない」等、事前に「知っていれば」そもそもトラブルにならない事もある。
その為には、工事前の説明会だけではなく、事前の計画段階からの「知らせる」手法が効果的である

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